『バラ属の系統分類』(4つの亜属と10の節)についてのまとめ

陸上植物進化の過程で被子植物、双子葉類から分化したバラ属ですが、その起源は7000万年前~3500万年前とも言われています。
中国の中南西部で多くの原種が確認されていることからこの地域で祖先種が生まれ分岐していったと考えられます。
ノイバラ(Synstylae) 系統は3000万年前頃ツルガイ海峡が閉鎖されユーラシア大陸とヨーロッパ大陸が陸続きとなりヨーロッパに伝わったようです。
またアメリカコロラド州フロリサント化石層国定公園にある約3500万年前(始新世後期)の粘板岩化石層からバラの葉の化石が発見されています。レオ・レスキュー(1806 -1889)はこのバラにロサ・ヒリアエ(Rosa hilliae)と名付けています。
現存するアメリカ大陸の原種はベーリング陸橋(Bering land bridge)を経由してアジアから伝わった系統です。

 

植物系統分類学上のバラの位置づけ

植物系統分類(APG IVによる)におけるバラ属

  • 植物界(Plantae)
  • 基部被子植物(Basal angiosperums)
  • 真正双子葉類(Eudicots)
  • 中核真正双子葉類(Core eudicots)
  • バラ上群(Superrosids)
  • バラ類(Rosids)
  • 真正バラ類(Eurosids)
  • 真正バラ類 I(Eurosids I)
  • バラ目(Rosales)
  • バラ科(Rosaceae)
  • バラ属(Rosa)

目次

バラの系統分類

 

バラ属の下位階級

バラ属の下位階級には4亜属(subgenus)があり、そのうちロサ亜属の下位に10節(section)がある。
 
 

  • フルテミア亜属 (Subgen. Hultemia)
ロサ・ペルシカ (Rosa persica)

原産地は西アジア(トルコ、イラン、アフガニスタン)から中国新疆ウイグル自治区に及ぶ。
葉は葉柄はなく茎に直接葉身がつく単葉である。花は黄色の一重、赤い目(ブロッチ)が特徴的。

 
 

  • ヘスペロードス亜属 (Subgen. Hespehodos)
ロサ・ミヌティフォリア (Rosa minutifolia (Engelm.) Hurst)

ロサ・ミヌティフォリアの原産地はアメリカ合衆国カリフォルニア州サンディエゴ郡であるが野生種は絶滅している。
現在あるのは絶滅する前、単一個体群が保護移植され栽培されたものです。

花は直径2.5~3cmで花弁5枚のピンク、ホワイトの一重咲きで3 月~7 月に開花します。
葉はバラ属のなかで最も小さい。

 

ロサ・ステラータ (Rosa stellata Wooton)

原産地はアメリカ合衆国南西部(アリゾナ州、ニューメキシコ州、テキサス州)の砂漠地帯。
乾燥した日当たりの良い土地を好み、スグリ(グーズベリー)のような葉をもち若い芽が
星状毛で厚く覆われていることから砂漠のバラ(Desert Rose)、グーズベリー ローズ
(Gooseberry Rose)、スター ローズ(Star Rose)とも呼ばれている。

単生で花径5㎝以下の濃いピンクで花弁は4~7枚の一重の花が晩春か初夏に咲く。
鋭い棘が対をなして多数ある。樹高0.6m程度。

 

ロサ・ステラータ・ミリフィカ(亜種) (Rosa stellata subsp. mirifica (Greene) W.H. Lewis)

原産地はニューメキシコ州(オテロ郡サクラメント山脈、ホワイトサンズ国定公園)から
テキサス州(グアダルーペ山脈国立公園のあるカルバーソン郡)。
その地質は透明石膏の結晶で覆われた白い石膏砂丘と化石化したサンゴ礁が露出した苦灰石石灰岩、石膏、砂岩の層で構成されている。
サクラメントローズとも呼ばれている。直径4㎝、花弁4 ~ 8 枚のピンクの花が咲く。
若い芽にはロサ・ステラータのような星状毛はなく小葉は5枚で無毛のものもある。
ロサ・ステラータより生育は活発で野生では樹高1.2~2.0mにもなる。

 

ロサ・ステラータ(亜種) (Rosa stellata subsp. stellata)

原産地はニューメキシコ州ドニャアナ郡サン・アンドレス山脈からオルガン山脈。
前者はホワイトサンズ国定公園に近接し、後者は公園内に含まれており乾燥地帯である。
地質はサン・アンドレス山脈は主に石灰岩層、オルガン山脈は花崗岩・流紋岩・一部石灰岩層。

樹高0.3~0.6m。花は花径5㎝、濃いピンクで4 ~ 8 枚の花弁の一重で4 ~ 9 月に咲く。

 

ロサ・ステラータ・アビッサ(亜種) (Rosa stellata subsp. abyssa)

原産地はアリゾナ州北西部ココニノ郡とモハーヴェ郡。両郡はグランド・キャニオン国立公園の指定地域であるため、グランド・キャニオン・ローズとも呼ばれている。
生育地は石灰岩の礫岩、角礫岩のパイプ、およびカイバブ石灰岩の岩盤の上に石灰岩のチップ
または小石がある薄い砂砂利の土壌。

クローン性亜低木で樹高0.25~1.5m。花弁は5枚、濃いピンク色で花径5㎝の単生。
5 月から 6 月に咲く。

 

  • プラティロドン亜属 (Subgen. Platyrhodon)
サンショウバラRosa roxburghii hirtula)

学名 Rosa hirtula(Regel) Nakai は日本固有種。淡いピンク色の単弁花で葉は樹木の
サンショウ (Zanthoxylum piperitum)に似る。樹高は5mに及ぶ。

 

イザヨイバラ (Rosa roxburghii Tratt.)

学名 Rosa roxburghii Tratt. f. roxburghii
原産地はヒマラヤ東部から中国中部および南部。ピンク色の八重咲きである。

学名 Rosa roxburghii f. normalis Rehder & E.H.Wilson (ヒメサンショウバラ)
原産地は中国中西部。一重咲き種で花色はピンクである。

 

  • ロサ亜属 (Subgen.Rosa)

10の節が属しておりそれぞれの節から多くの園芸種が生まれている。

  • モッコウバラ節 (sect.Banksianae)
モッコウバラ(ロサ・バンクシアエ) (Rosa banksiae W.T. Aiton)

異名(synonym): ロサ・バンクシアエ・アルボプレナ (Rosa banksiae var. alboplena Rehder)
原産地は中国中北部、中国中南部、中国南東部。
最大15mまで伸長し、強く成長した枝以外にはほとんど棘がない。羽状複葉で長楕円形の小葉が3~5枚。散房花序、白の八重咲き、直径 1.5 ~ 2.5 cmの小花が花軸につき10~15輪咲く。
花期は4月から5月。

キューガーデンの顧問であった植物学者 ジョゼフ・バンクス卿(Sir Joseph Banks 1743年2月2日-1820年6月19日)は彼の下で働いていたウィリアム・カー( William Kerr) を中国に調査派遣させた。その際(1807年)に発見された一つに Rosa banksiae があり、カーはイギリスに導入した。
バンクス卿の妻ドロテア・バンクス夫人にちなみ、レディー・バンクス・ローズとも。

ロサ・バンクシアエ・ノルマリス (Rosa banksiae var. normalis Regel)

ウィリアム・カーがヨーロッパに紹介したRosa banksiae が先に世に知られることとなりましたがRosa banksiae normalis のほうが元の野生型であると考えられています。こちらは白の一重咲きになります。以前より中国で栽培されていたが、ドイツの植物学者であるエドゥアルト・アウグスト・フォン・レーゲル(Eduard August von Regel 1815年8月13日-1892年4月15日)により1878年『Tentamen Rosarum Monographiae』で発表され一般に広まった。

原産地は中国中部および中国西部。
樹高6.0~10.0m。自然環境下において中国雲南省で長さ36mに達したものが記録されています。
奇数羽状複葉、3~5枚の小葉は長楕円形で細かい鋸歯がある。散房花序、5枚の倒卵形花弁、白く
淡い黄色の雄しべの花は魅力的です。

ロサ・バンクシアエ・ルテスケンス (Rosa banksiae f. lutescens Voss.)

イギリスの園芸家トーマス・ハンブリー卿(Sir Thomas Hanbury 1832年6月21日-1907年3月9日)が
イタリア リグーリア州インペリアに作った庭園 ジャルディーニ・ボタニチ・ハンブリーから1870年
イギリスに導入した。
『ヴィルモリンのフラワーナーセリー』(Vilmorin's Blumengärtnerei) (アウグスト・シーベルト寄稿、
アンドレアス・ヴォス編、1896年出版)で初めて文献に記載された。

黄色の一重咲き種。中国四川省原産。
樹高1.0~7.0m。奇数羽状複葉、3~5枚、細かい鋸歯がある。棘はない。
花の形態は散房花序、直径 1.5 ~ 2.5 cmの小花が10~15輪ほど。
花期は3月から5月。

ロサ・バンクシアエ・ルテア (Rosa banksiae f. lutea Rehder.)

1824年、それ以前より王立園芸協会(RHS)のインド コルカタ植物園で成長しているのが観察され
ていたものを、RHS会員であったジョン・ダンパー・パークス(John Damper Parks 1792年-1866年
1月11日) がコルカタ植物園を経由して中国からイギリスに導入した。

黄色の一季咲き、八重咲き種。

 

  • カカヤンバラ節 (sect.Bracteatae)
ロサ・ブラクテアタ (Rosa bracteata J.C.Wendl.)

原産地は中国中南東部、台湾、八重山諸島(石垣島、宮古島)
樹高0.5~3.0mのつる性で多数の小さくかぎ状の棘が托葉の下のほうまである。
葉は長さ1~2.5㎝×幅0.5~1.5㎝楕円形で光沢がある鋸歯縁の濃い緑色。
単弁で白または帯黄白色、黄色の蕊で5㎝ほどの花が四季を通して咲き、
花付きは単生または束生。
1792年当時清朝であった中国に派遣されたイギリスの植民地行政官、政治家であった
マッカートニー卿(George Macartney 1737年5月14日-1806年5月31日)にちなみ
マッカートニーローズとも言う。

ロサ・クリノフィラ (Rosa clinophylla Thory.)

原産地はタイ、インド(ベンガル)、ミャンマー、ラオス。
樹高0.9~4.5mで葉は先が鋭く鋸歯縁の長さ1.0~2.5㎝の小葉。
単生または2~3個の束生で直径4~5cmの花が2~3月に咲く。
亜熱帯の湿地帯に適応する数少ないバラである。雨季に洪水が発生しやすい
土地に育ち果実が流れによって運ばれる。
直立した棘は流れてくるものが引っ掛かり根こそぎ流されるのを
防ぐためと考えられる。
19 世紀初頭にヨーロッパで栽培されておりピエール=ジョセフ・ルドゥーテの
Les Roses(バラ図譜)に収載されている。説明書きはクロード・アントワーヌ・
トリーによる。

ロサ・ライリー (Rosa lyellii Lindl.)

原産地は北インド、ネパール。
植物学者ジョン・リンドリー(John Lindley 1799年2月5日-1865年11月1日)は
このバラをチャールズ・ライエル(Charles Lyell 1797年11月14日-1875年2月22日)に
捧げた。
何人かの植物学者によって Rosa clinophylla に含まれていますが
フランソワ・クレパン(François Crépin 1830年10月30日-1903年4月30日)によって
ロサ・クリノフィラ (Rosa clinophylla)とロサ・モスカータ (Rosa moschata)の
交雑種と判断された。

 

  • イヌバラ節 (sect.Caninae)
ロサ・カニナ (Rosa canina L.)

原産地はヨーロッパ、アフリカ北西部 (アルジェリア、モロッコ、チュニジア)、西アジア。
樹高は通常1~5mで茎は緑色または赤褐色ですが成熟すると灰褐色で木質化する。
3 ~ 8 mmのかぎ状の棘がある。
長さ 1.5 ~ 4 cm、幅 1 ~ 2 cm の卵形または楕円形の葉は鋸歯、複葉で5~7枚の
小葉がつく。
単生または少数束生、白またはピンク色で花弁5枚の4 ~ 5 cmの花が咲く。
花後、楕円形 (楕円形) または丸みを帯びた (球形) 多肉質、長さ 1 ~ 2 cmの果実がつく。
緑色の果実は成熟するとオレンジ色または緋色の赤色に変化する。果実はビタミン C 含有量が
高くさらにビタミン A、B 1、B 2、E、K、および カリウム、カルシウム、ナトリウム、鉄、
マグネシウム、リンなどのミネラルも豊富に含まれているため栄養補助食品として
シロップ、ジャム、お茶などに利用されている。

 

  • カロリナ節 (sect.Carolinae)
ロサ・カロリナ (Rosa carolina L.)

原産地は北アメリカ中~東部。
樹高0.3~1.8m。細く赤褐色の枝は少なめで長さ3 ~ 9 mm、幅1.5 ~ 3.0 mmの棘がある。
交互、奇数羽状、鋸歯の葉は通常5~7枚の小葉である。
花は単生まれに束生。5月頃単弁(4~8枚)6㎝ほどのピンク色、赤みがかったピンク色
まれに白色の花が咲く。
牧草地のバラとも呼ばれ、水はけの良い砂丘、森林地帯、サバンナなど乾燥した土壌や
川岸、堤防、湿地などの湿った土壌の両方で育つ。

 

  • コウシンバラ節 (sect.Chinenses)
ロサ・キネンシス (Rosa chinensis Jacq.)

原産地は中国中南部(四川省、湖北省、貴州省)。
樹高1~2m。葉柄は 5 ~ 11 cm。小葉は3~5枚、まれに7枚。葉は卵形、長楕円形で
長さ2.5~6㎝×幅1~3㎝。縁は鋸歯状。
赤、ピンク、白または紫色、直径 4 ~ 5 cm、半八重~八重咲の花は束生、まれに単生。
花期は 4 月~9 月 。

ロサ・キネンシス・スポンタネア(Rosa chinensis var. spontanea (Rehder & E. H. Wilson) T.T.Yu & T.C.Ku)

原産地は中国中南部(四川省、湖北省、貴州省)。
樹高 1 ~ 1.5 m。直径 4 ~ 5 cm、わずかにカップ状一重で赤からピンクの花が咲く。

ロサ・キネンシス・センパフローレンス

(Rosa chinensis var. semperflorens (Curtis) Koehne)
原産地は中国南西部の貴州省、湖北省、四川省。
樹高 0.6 ~ 1.5 m。四季咲きで直径 5 cm、半八重または八重、赤~真紅の花が咲く。

 

  • ガリカ節 (sect.Gallicanae)
ロサ・ガリカ(Rosa gallica L.)

原産地はトルコからコーカサスにかけての中央ヨーロッパ、南ヨーロッパ、西アジア。
古代ローマの博物学者大プリニウス(Gaius Plinius Secundus 23年-79年) は『博物誌』で
ミレトス(古代ギリシアの都市)のバラが燃えるような赤と記したものがロサ・ガリカと
考えられている。

樹高 1.0 ~ 2.0 m。奇数羽状の葉に小葉が 3 ~ 7 枚。花は1〜4個の単生または束生。
一重咲きで花径5㎝ほどの香りがよく、濃いピンク色の花が咲く。
ロサ・ガリカは赤バラの祖先であり、ダマスク、アルバ、ケンティフォリア など、
他の多くのバラの祖先でもあります。

ロサ・ガリカ・オフィキナリス (Rosa gallica officinalis )

原産地はヨーロッパ、南西アジア。
樹高 0.9 ~ 1.5 m。濃いピンク色。
自然変異により半八重の花が生まれました。最も古い栽培品種の1つで
ペルシア人、エジプト人、ギリシア人、ローマ人は薬効があると信じ栽培していました。
フランスへは1240年シャンパーニュ伯ティボー4世が十字軍遠征から持ち帰ったバラが
ロサ・ガリカ・オフィキナリスとの口頭伝承はありますが、証明する年代記のテキストは
ないと専門家は指摘しています。
後に街のシンボルとなりプロヴァンのバラ(Provins Rose)と呼ばれています。
また13世紀後半以降薬用および料理用の目的で広く栽培され薬剤師が使用していたため
アポセカリーローズ(The Apothecary’s Rose)とも呼ばれている。
2012年WFRS オールドローズ殿堂リスト入り。

ロサ・ガリカ・ベルシコロール (Rosa gallica var. versicolor L. )

ロサ・ガリカ・オフィキナリスの自然突然変異(spontaneous mutation)によるもので
ストライプの花びら(絞り模様)に特徴がありロサ・ムンディ (Rosa Mundi) とも
呼ばれており、ヨーロッパと南西アジアに由来する、非常に古いバラです。

樹高 1.0 ~ 1.2 m。花は白と濃いピンクで異なる色をしており、先端が深紅色
(斑点、ストライプ、スプレー、エッジの部分が多かれ少なかれ拡張されたストライプ)
やせた土壌に強く、気候にもよりますが春から夏にかけて開花します。
2009年WFRS オールドローズ殿堂リスト入り。

 

  • ナニワイバラ節 (sect.Laevigatae)
ナニワイバラ(ロサ・ラエビガータ) (Rosa laevigata Michx. )

原産地は中国中南東部(四川省、雲南省、湖北省、湖南省、江西省、浙江省、
福建省、広東省など)、ラオス、ベトナム。
チェロキーローズ(Cherokee Rose)、ビルマローズ(Burma Rose)、
三つ葉のバラ(Three-Leaved Rose)とも呼ばれている。
18世紀末に北米に入ってきましたが、すぐに帰化しチェロキー族に
よって栽培され、広く流通していたため、チェロキー ローズの名を得ました。
チェロキー族は1838年ジョージア州の土地から追われ、故郷から強制移住を
強いられた。その際の道程は『涙の道』として知られ、沿道に自生していた
チェロキーローズの7枚の白い花びらは祖国を追われたチェロキー族の7氏族を
表し、黄色の中心はチェロキー族から奪われた金を表していると言われている。

つる性、アーチ状、樹高1.8 ~ 10.0 m。鉤状の棘が散在し、三葉の暗緑色の葉。
花は単生、純白に近く直径5~10cmの花弁5枚で黄色の蕊が特徴的。
花期は4~6月。生け垣としても使われている。

 

ハトヤバラ(ロサ・ラエビガータ・ロセア)Rosa laevigata Michx. f. rosea (Makino) Makino)

中国から渡ってきたナニワイバラのピンク花品種とありますが
野生交雑種ではないかとも考えられているようです。
ナニワイバラに比して樹勢は弱い。

樹高1.0 ~ 3.0 m
単生、花径5~8cm、花弁6~8枚のピンクの花が春に咲くが返り咲きすることもある。

 

ロサ・アネモネ Rosa 'Anemone' syn. Rosa laevigata 'Anemone Rose' )

このバラは中国からヨーロッパに持ち帰られた種子をドイツの園芸家
ヨハン・クリストフ・シュミット(Johann Christoph Schmidt 1803-1868)により
栽培、繁殖されたものです。因みにティーローズ ブルーメンシュミット(Blumenschmidt)は
彼が設立した園芸会社JCシュミット社から発表された品種。

ロサ・アネモネはピンク・チェロキー(Pink Cherokee)、ハトヤバラ(Hatoyabara)とも。
樹高0.9 ~ 3.6 m。単生、花径5~8cm、一重、八重、または半八重のピンクの花が
春先から咲き、多くの場合、初夏に再開花します。

 

  • ピンピネリフォリア節 (sect.Pimpinellifoliae)
ロサ・スピノシシマ ( Rosa spinosissima L. )

ロサ・ピンピネリフォリア(Rosa pimpinellifolia)、バーネット・ローズ(Burnet Rose)、
スコッチ・ローズ(Scotch Rose)、スコティッシュ・ブライアー(Scottish Briar)とも。
ヨーロッパ、イラン、アルジェリア原産。

樹高0.9 ~ 1.2 m。まっすぐな4 mmまでの棘が多数ある。ラテン語のspinosissimaには
『非常に棘のある』という意味がある。葉は羽状複葉で葉形は楕円形、卵形、葉色は
光沢のある鮮やかな緑で縁は鋸状。小葉は9~11枚。
花は単生、花径2~6cm、5枚の花弁を持つ可憐なクリーミーホワイトの花が晩春から
初夏にかけて咲く。秋には球形の紫黒色の実をつけます。
干ばつに強く塩耐性があり貧弱な土壌 (チョーク、粘土、ローム、砂) にも耐える。
グランドカバーや低生垣としても使用されている。

 

ロサ・フェティダ ( Rosa foetida )

原産地はジョージアのコーカサス山脈のふもと。それまでヨーロッパには黄色のバラが
なかったため、1580 年ペルシアから輸入された。黄色いバラの形質をもたらせた種です。

樹高1.5 ~ 3.0 m。まっすぐな棘がたくさん不規則につき、ややくすんだ灰色がかった葉は
複葉で楕円形または倒卵形、2㎝ほどの小葉が5~7枚。
花は単生または 2 ~ 3 個で花弁5 枚、花径6~9cmの鮮やかな黄色のカップ型。

 

  • キンナモメア節 (sect.Cinnamomeae)
ロサ・キンナモメア ( Rosa cinnamomea L. )

シナモンローズ(Cinnamon Rose)、ロサ・マジャリス( Rosa majalis Herrmann)とも。
原産地はシベリア、北ヨーロッパ(バルト諸国、ウクライナ、ポーランド、ドイツなど)。
実にはビタミンCが豊富に含まれており、ローズティーやローズヒップシロップとして
利用されている。

樹高1.5 ~ 3.0 m。葉は奇数羽状、1.5 × 4.5 cmの楕円形、鋸歯状の小葉が3 ~ 7 枚。
花は単性、花弁5 枚、花径4~5cm、ピンクがかった紫色。花期は6~7月。
ほのかなシナモンの香りがある。

 

ロサ・ルゴサ ( Rosa rugosa Thunb.)

原産地はロシア東部、韓国、日本、中国北部。乾燥した砂、粘土、砂利などの痩せた土壌を
好む。砂・砂利の海岸、砂丘に自生する。塩耐性があるため海風、塩水噴霧、土壌塩分、
適度な干ばつに強い。また温暖な気候よりも寒冷な気候を好む。-50°C までの低温に耐える
ことが報告されている。海外ではJapanese roseとして知られている。

樹高1.2 ~ 1.8 m。葉は羽状複葉、2.5 × 5 cm 楕円形の小葉が5 ~ 9 枚。
花は単生、花弁5 枚、花径6~9cm、明るい紫がかったピンクの中央に黄色の雄しべが鮮やかで
非常に香りのよい魅力的な花が5~6月に咲く。花後にチェリートマトに似たオレンジがかった
赤い実ができる。

 

  • ノイバラ節 (sect.Synstylae)
ロサ・ムルティフローラ ( Rosa multiflora Thunb. )

原産地は中国東部から韓国、日本。19世紀初頭にヨーロッパ(フランス)に導入され、房咲き形質を
持ったポリアンサ・ローズ、さらにはフロリバンダ・ローズの誕生に貢献した。
日本では沖縄を除き、山野・河川敷などで5~6月ごろに房なりに咲いた花が見られる。

樹高1.8 ~ 4.5 m。葉は羽状複葉、2.5 × 3.8 cm 長楕円形の小葉が7~9枚。縁には鋸歯がある。
散房花序、花弁5 枚、花径2.0~2.5cm、白またはわずかにピンクの花が咲く。

 

テリハノイバラ ( Rosa luciae Rochebr. et Franch. ex Crép. )

原産地は中国南東部、日本、韓国、南西諸島。
イギリスでは一般にはメモリアルローズ(Memorial Rose)という名で知られている。
このバラを交配親としてアルベリック・バルビエ(Albéric Barbier)、フランソワ・ジュランビル(François Juranville)、メイ・クイーン(May Queen)など多くの種が作出された。

樹高1.8 ~ 6.0 m。葉は奇数羽状複葉、1.5 × 3 cm 楕円形の光沢がある小葉が7 ~ 9 枚.鋸歯がある。
花は散房花序または単生、花弁5 枚、花径1.5 ~ 3 cm、白またはわずかにピンクの花が咲く。

 

以上大まかに記述してきましたがあくまで一個人の素人のものであるため多くの誤謬あることご容赦下さい。
また今回画像を載せませんでしたが整理次第少しずつ掲載します。

 

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